朝のハノイは町中が“おばさんジム”

８ヶ月ぶりのハノイ訪問。かつて、ハノイの住人だった私は、５月１１日、宿舎となった外務省迎賓館付きのゲストハウスを６時前に出て、朝の散歩へ。

ところが、私の足は散歩をせずに止まってしまった。ジャーナリストの性（さが）か。昔も今も、ハノイ人の運動好きは変わりませんが、運動の人が増えたこと。着る物がよくなったこと。見ていて、こんな面白いものはないのです。体操する人。それを見ている人。スピーカーの音を聞いて、遠くで参加する人。わずかな木陰で汗をかかないようにする人。朝食のバナナを木にくくりつけて、体操をする人。朝日を拝む人。犬を待たせている人。湖畔をとにかく歩く人。湖の畔の幅１メートル弱のコンクリートの上で体をほぐす人。そこを天秤を担いだ物売りの女性が通り過ぎます。どんな気持ちでしょうか？　二丁拳銃のようにラケットを両手にバドミントンに興ずる人。なんのことはない、羽が落ちたときに両手で腰を曲げずにすくい上げるのでした。

この勢いをアメリカ人がみれば、まさに抗米救国戦争の時の脅威のベトナム・パワーを感じることでしょう。

有名なホアンキエム湖の前の、ディン・ティエン・ホアン通りの景色は、まさに無料の大型ジムなのでありました。


2007.05.20 Sydney Boy記